恋の門

恋の門恋の門
石で漫画を描く、自称・漫画芸術家の蒼木門は、バイト先でアニメおたくのコスプレOLの証恋乃と知り合う。彼女の家で飲んだ勢いでいい雰囲気になったが、恋乃にアニメのコスプレをさせられたり、アニメ歌手のファンの集いでいい感じになったが、酔っぱらって彼女の顔に吐いてしまうなど、なかなか結ばれないふたり。そんなことしているうちに門のバイト先の店長が恋乃にほれて、彼女を取り合う羽目に…。 Amazon
DVDで清志郎がちょっと出演している「恋の門」を観ました。うーん、清志郎が出ていなかったら観なくていいかなー。清志郎がそれほど重要な役でもないのですが。
つまらなくはないですが、手ばなしで面白いというほどではありません。全編にわたってアングラの雰囲気(といってもまったく暗くはありません)が漂っていますが、メジャーな香りがしないでもありません。アニメもコスプレも興味がないと、ちょっと辛いかなという気もしますが、ついていけないほどではありません。ストーリーがちょっと退屈しますが、疾走感がないわけではありません。
自分で書いてて嫌になるほど、偏屈な感想ですが、そんな感じ。「突き抜けてない」というのが、一番、的を得ているかも。恋愛映画だと思うのですが、そのノリについていけないというのもあります。ノリについていけなくても、肌に合わなくても、面白く描いてくれれば、たぶん違った感想になると思います。主演の酒井若菜はかなり可愛いく描かれてるのに惜しいかなぁ。
そうだなぁ、暇つぶしにはよいかも。って、全然誉めてないですね、スミマセン。

殺人狂時代

殺人狂時代殺人狂時代
チャールズ・チャップリンが、結婚詐欺と連続殺人をブラック・ユーモアで描いた異色作。大恐慌のために失業した銀行員・ヴェルドゥは、妻子を養うため、独身で裕福な中年女性に近づいて、結婚したところで殺害し、財産を奪うという計画を企てる。 Amazon
DVDでチャップリンの映画を久しぶりに観ました。チャップリンは、大好きといえるほど作品を観ているわけでもなく、かなり有名な作品であるこの「殺人狂時代」は初めてです。
ここでのチャップリンはおどけた道化師の姿からは程遠い、詐欺師、それも極悪といってよい殺人鬼を演じています。それでも、時折見せるチャップリン独特の仕草は笑えますし、ギャグも織り交ぜられていて、人を何人も殺しているにも関わらず、飄々と淡々と物語りは進みます。その辺りがちょっと退屈といえば退屈ですが、チャップリンらしい、下町の不幸な身の上の女性に思わず親切にしてしまう(というか、殺すのを止めただけですが)場面や、数年後にチャップリンが落ちぶれたときに、その娘が大金持ちになっているという、どこかで観たような光景が繰り広げられたりして、面白いです。ただし、その娘が大金持ちになったのは、軍需産業を営んでいる社長と結婚したからというところがミソです。
そう、私があえてここで書く必要もないほど有名なことですが、強烈な反戦の意図がそこにあります。物語の最初から最後までそれは貫かれていて、ラストの処刑場へ向かうチャップリンが語る言葉に集約されます。
「一人殺せば悪人だが、百万人殺せば英雄だ」
まぁ、あまり反戦反戦と叫ぶのは、日本ではタブーになりつつあるらしいので、そこはおいときましょう。政治的でもなんでもない映画だと思いますが、公開当時、アメリカではチャップリンに“共産主義者”のレッテルを貼り、各地で上映中止されたらしいですし。
映画として、単純に面白いと思いました。こういうストーリー重視というか、シナリオがちゃんとした映画が、やっぱり好きだなぁ。