映画「IT/イット “それ”が見えたら、終わり。」

It
Andy Muschietti 2017
★★★

とある田舎町で児童が行方不明になる事件が相次ぐ中、おとなしい少年ビルの弟が大雨の日に出掛け、大量の血痕を残して姿をくらます。自分を責めるビルの前に突如現れた“それ”を目撃して以来、彼は神出鬼没、変幻自在の“それ”の恐怖に襲われる。彼と同じく“それ”に遭遇した人々とビルは手を組み、“それ”に立ち向かう。(The Movie Database

映画「IT/イット “それ”が見えたら、終わり。」を観ました。2017年公開のアンディ・ムスキエティ監督によるアメリカ映画です。スティーヴン・キングのホラー小説が原作です。

けっこう話題作だったのか、宣伝をよく見かけたような気がしますが、映画館で見るほどじゃないかなとスルーしてました。で、観たところ、最初のエピソードのシーンがすごくよくできていて。ビルの弟が排水溝に落ちていく?場面です。これは面白いぞ、と期待が高まったのですが。なんとなく尻すぼみというか。

面白かったですけどね。最初のシーンのインパクトが強すぎて。期待しすぎたかなという感じです。ホラーというより、少年たちの冒険ものみたいな映画でした。にしても、「本作は小説の前半を映画化」って知らなかったなー。続編が公開されているのは知っていたけど。続編はどうなのかしらん。

映画「地獄の黙示録」

Apocalypse Now
Francis Ford Coppola 1979
★★★★

ベトナム戦争が真っただ中のサイゴン。アメリカ陸軍情報部のウィラード大尉にある密命が下される。それは、カンボジアに特殊任務で赴いたままジャングル奥地に自らの王国を築き、カリスマ的な存在と化した危険人物カーツ大佐を暗殺せよ、というもの。任務を全うすべく、ウィラード大尉は4人の部下とともに哨戒艇に乗り込み川をさかのぼる。道中、極限状態に晒され続けた彼らは幾多の異常な世界を体験していく。やがて彼らはついに、ジャングルの奥深く、カーツ大佐が潜伏する“王国”へと辿り着くのだった。(The Movie Database

映画「地獄の黙示録」を観ました。数々の賞を受賞した、フランシス・フォード・コッポラによる1979年公開のアメリカ映画です。私は、30年くらい前に観て以来、2回めかな。

やたら長くて重たい印象がありましたが、やはりそのとおり。クレイジーな場面が延々と続きます。湿度が異様に高く暑苦しい、映画を観ているだけの私でさえ、汗が滲み出てくるような、そんな感じ。継続した緊張感で、激しく疲れます。

にしても面白い。お話の展開がそれほどないので、退屈といえば退屈かもしれません。が、とにかく画面から湧き出る熱量が凄まじい。

30年ぶりに観た映画、ストーリーはこんなだったのかとあらためて思ったりもしました。で、地獄の黙示録といえば、ドアーズ「The End」。実際、私は、真っ赤に燃え上がるジャングルを背景に「The End」が流れるラストシーンだけ、覚えてました。だがしかし。なんと、ラストシーンで流れなかったんだなー「The End」。冒頭で流れたけど。なんだかそこは拍子抜けしたし、若干、納得いかずてな気持ちもあったり。とはいえ、自分の記憶違いだったかという気もしたり。

ググってみたところ、やはり、当初のラストシーンを変更してしまったようです。まじか〜。これは残念。ググった結果、このレビュー(『地獄の黙示録 特別完全版』 – LACROIXのちょっと辛口映画批評2)がピンときました。ほんとに残念。

映画「レッド・スパロー」

https://www.youtube.com/watch?v=M-SgZm835RM

Red Sparrow
Francis Lawrence 2018
★★

元バレエダンサーのドミニカはそのキャリアを終わらせるような怪我を負い、彼女の将来は一気に闇へと落とされる。そして、ある時ドミニカは秘密組織が運営する学校スパロウ・スクールから入学のオファーを受ける。その学校は、ドミニカのように突出した才能を秘めた若者を入学させ、心身とも武器として使えるように養成することを目的として設立されたものだった。厳しいトレーニングを終えたドミニカは、やがてスパロウ・スクール出身最強のスパイとなり、ロシアの機密事項を調査するCIA捜査官ナサニエル・ナッシュを誘惑して貶めようとするがドミニカとナサニエルは恋に落ちる。(The Movie Database

映画「レッド・スパロー」を観ました。2018年のアメリカ映画、監督がフランシス・ローレンス、主演がジェニファー・ローレンスです。

映画が公開された頃、映画館の前でけっこう派手に宣伝していたのでなんとなく印象に残ってます。お金もかけてるのかしらん。

ざっとググった感じだと評判はいまひとつみたいです。私は、そこそこ楽しめたけどな。そこそこありがちな話ですが、いくつか伏線を絡ませたり、最後はどんでん返しがあったりして。ジェニファー・ローレンスもなんだか田舎娘、失礼、みたいな役を熱演してたりして。

とはいえ、ちょっと長すぎ。140分はなかなか厳しい。あと、なんとなくやたら重厚な空気で重苦しい。なんとなくもっと軽い感じでサクッと楽しめるような作りのほうがよかったんじゃないかしらん、などと思いました。

映画「仮面の男」

https://www.youtube.com/watch?v=WVBOPWqalU8

The Man in the Iron Mask
Randall Wallace 1998
★★★

『仮面の男』(かめんのおとこ、The Man in the Iron Mask)は、1998年制作のアメリカ映画。アレクサンドル・デュマの『ダルタニャン物語』をベースに、ルイ14世と鉄仮面伝説、老いた三銃士の復活と活躍、王妃とダルタニアンの秘めた恋を描いた歴史娯楽活劇である。(Wikipedia

映画「仮面の男」を観ました。1998年公開のアメリカ映画、レオナルド・ディカプリオが主演です。

AmazonPrimeで観たのですが、けっこう面白かった。私、ダルタニアン物語も三銃士も鉄仮面伝説も、ほぼぜんぜん知らなくて。知らないがこそ、面白かったというのもあるのかも。

どこまで史実に沿っているのかさっぱり、ですが、なんというかおとぎ話のような面白さがありました。レオナルド・ディカプリオの一人二役も、なかなかいい演技でした。今度は、三銃士とかその辺りの映画も観てみようかな。

映画「告白」

Confessions
Tetsuya Nakashima 2010
★★★★

とある中学校の1年B組、終業式後の雑然としたホームルームで、教壇に立つ担任の森口悠子が静かに語り出す。「わたしの娘が死にました。警察は事故死と判断しましたが、娘は事故で死んだのではなくこのクラスの生徒に殺されたのです」教室内は一瞬にして静まりかえり、この衝撃的な告白から物語は幕を開けた。(The Movie Database

映画「告白」を観ました。2010年公開、中島哲也監督、松たか子主演の映画です。私は、公開当時、映画館で観て以来、これで4回目くらいかなー。すごく好きな映画です。

ちょっとショボい感じの映像があったり、なんとなく気になるところがないわけじゃないですが、なんだか勢いが凄いです。テンポがいいし、ストーリーも面白い。最初から最後まで、息もつかせず、って感じ。

なにしろ、松たか子、凄いです。すばらしい。と、褒めてばかりですが、私が好きなのは、ホントのラストシーン、松たか子による「なーんてね」の台詞です。この数秒でがつーんとやられました。って人、多いだろうなー。そこそこの数の映画を観てると思うのですが、このラスト数秒のインパクトは、もしかして「告白」が一番かもしれません。てなくらいの衝撃でした。

で、さっき気がついたのですが、この映画のポスター。松たか子の眼に、娘が殺される場面(だと思う)が写っていることに気がつきました。こわいねー。

映画「コロンビアーナ」

Colombiana
Olivier Megaton 2011
★★★

1992年、南米コロンビア。麻薬組織のマフィアたちに目の前で両親を惨殺された9歳の少女カトレヤは、その場を逃れてシカゴでギャングとして生きるエミリオ(クリフ・カーティス)に身を寄せる。彼のもとで殺しのスキルを習得していったカトレヤ(ゾーイ・サルダナ)は、美しいプロの殺し屋として成長する。その技術を駆使して両親を殺した者たちに復讐(ふくしゅう)を果たそうと、彼らの所在を探りながら、殺しを重ねていくカトレヤ。だが、FBIやCIAをはじめとする捜査機関が、そんな彼女をマークし、行方を追い始める。(The Movie Database

映画「コロンビアーナ」を観ました。Wikipediaによると、リュック・ベッソン製作・脚本、オリヴィエ・メガトン監督、ゾーイ・サルダナ主演による2011年のフランス・アメリカ合衆国のアクション映画、だそうです。

こちらは「コードネーム U.N.C.L.E.」 のようなオシャレ感はぜんぜんなくて、全編バイオレンスみたいな雰囲気でした。私は、こっちのほうが面白かったなー。

激しくベタな展開ですが、テンポがいいのかしらん。単純だからすっと話が入ってくるというか。主人公、めちゃくちゃ強いです。

ちょっとグロテスクな描写もあったりしますが、まー面白かったです。

映画「コードネーム U.N.C.L.E.」

The Man from U.N.C.L.E.
Guy Ritchie 2015
★★

東西冷戦の最中の1960年代前半。CIAエージェントのナポレオン・ソロとKGBエージェントのイリヤ・クリヤキンは核兵器拡散をたくらむ謎多き国際犯罪組織を制圧するために、長年の政治的対立を超えて手を組むことに。思考や方法論も真逆の二人は、組織につながる手掛かりである行方をくらました科学者の娘を守り、核兵器の大量生産を阻止すべく奔走する。<1960年代の人気テレビシリーズ「0011ナポレオン・ソロ」を、『スナッチ』などのガイ・リッチー監督が新たな視点で映画化。東西冷戦下、CIAとKGBのエージェントが協力し合い世界規模のテロ事件を阻止すべく奮闘する。プレーボーイのソロと堅物クリヤキンという水と油のスパイコンビを、ヘンリー・カヴィルとアーミー・ハマーが熱演。そのほかアリシア・ヴィキャンデル、ヒュー・グラントらが脇を固める。>(The Movie Database

映画「コードネーム U.N.C.L.E.」を観ました。AmazonPrimeにあるのを、たまたま見かけて。

映像も雰囲気もオシャレな感じ。スマートというか。カーアクションとかカッコよかったな。

そこそこ評判よさげ、です。だがしかし、私はあんまりピンとこなかったなー。そもそもで、スパイ映画に面白さを感じなかったり。とかなんとか言って、続編が作られたら、また観てもいいかな、くらいには面白かったです。なんとなく、続編が作られそうなエンディングだったような。

映画「キング・オブ・コメディ」

The King of Comedy
Martin Scorsese 1983
★★★

コメディアンとして有名になりたいと考えているルパート・パプキンは、有名コメディアンのジェリー・ラングフォードを熱狂的ファンの群れから救い出し、強引にコネをつける。「今度事務所に自演テープを持って来い」と言われて有頂天になったパプキンは、早くも自分はスターになったと錯覚し、昔から好きだった女性リタにも接近するが……。Wikipedia

映画「キング・オブ・コメディ」を観ました。1982年に製作されたアメリカ映画で、マーティン・スコセッシ監督、ロバート・デ・ニーロ主演です。私は、これまたぜんぜん知らなかったのですが、映画「Joker」繋がり、です。

でもって、これまた数週間前に観たのですが、ぜんぜん覚えてなくて。いまひとつピンとこなかったような気がします。でも覚えてないしな。

ということで、テキトーにググったり、予告編を観たりして、なんとなく思い出したりして。さらには、これ、かなり面白そうだな、なんて、今更、思ったりもして。もう一度、観てみようかな〜。ロバート・デ・ニーロ、クレイジーだなーということは覚えてます。

映画「バットマン」

映画「バットマン」

Batman
Tim Burton 1989
★★

DCコミックスの誇るスーパー・ヒーローを巨費を投じて映画化した大作。ゴッサム・シティの闇に跳梁し悪を粉砕するバットマンと犯罪組織の新ボス・ジョーカーとの戦い。単純明解な娯楽編にはせずにひねった作品を目指していたのか、バットマンの誕生の秘密やジョーカーの設定などかなり暗めで、マニアックな仕上がりになっている。ニコルソン怪演。(The Movie Database

「ジョーカー」繋がりで、1989年の米国映画「バットマン」をAmazonPrimeで観ました。マイケル・キートンが主演、ティム・バートン監督で、ジョーカー役はジャック・ニコルソンです。私は、ダークナイトシリーズは観てましたが、本作は初めてでした。

で、その「バットマン」、私にはいまひとつだったなー。これまたぜんぜん内容を思い出せず、予告編を観ても、Wikipediaを読んでもどうもピンとこない。映画「ジョーカー」のあとでは、ちょっと物足りなさにも程がある、てな感じだったのかもしれません。

とはいえ、さすがに、ジャック・ニコルソンは怪演で、ちょっと老けてる感はありましたが、印象に残ってます。

映画「ジョーカー」

映画「ジョーカー」

Joker
Todd Phillips 2019
★★★★★

大都会の片隅で、体の弱い母と2人でつつましく暮らしている心優しいアーサー・フレック。コメディアンとしての成功を夢みながら、ピエロのメイクで大道芸人をして日銭を稼ぐ彼だったが、行政の支援を打ち切られたり、メンタルの病が原因でたびたびトラブルを招いてしまうなど、どん底の生活から抜け出せずに辛い日々を送っていた。そんな中、同じアパートに住むシングルマザーのソフィーに心惹かれていくアーサーだったが…。(The Movie Database

映画「ジョーカー」を観ました。2019年の米国映画、トッド・フィリップス監督、ホアキン・フェニックス主演の話題作です。

第76回ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞を受賞したり、予告編が非常によくできていて、否が応でも期待が高まります。その期待をまったく裏切ることなく、とても面白い映画でした。面白いだけでは足りず、傑作、だと思います。

重く、暗く、タクシードライバーに影響されたと言われている通り、狂気と混乱の映画。感動作ではありません。が、なにしろ物語が面白い。緊張が最後まで続きます。まーなんというか凄まじいエネルギーに満ちた映画でした。絶賛しちゃう。

主人公の行動は褒められるものではなく、というか、連続殺人犯だし。いくら現代都市、社会が悪いといっても、ぜーんぜん認められる類ではありません。讃えることもできないし、かっこいいとも思えないし、むしろ嫌悪感すら覚えてしまうような主人公。が、物語の最後の方、ゴッサム・シティの暴動のなか、パトカーのボンネットの上に立ち上がる主人公の姿に鳥肌が立つほど感動してしまいました。感動というか、口では言えない感情が湧き上がったというか。まるで、ゴッサム・シティの暴徒たちが主人公をヒーロー化したように、自分もその暴徒の一人になったというか。私的には、その場面がクライマックスでしたし、あのとき「JOKER」が誕生したのかなと思ってます。

と、ほとんど手放しで褒めちぎってますが、万人に受けるかというと、どうかなという気がします。今風?に言えば、やば過ぎな物語ですし。ギリギリの線をいってるなという、私でも、あとちょっと左右に振れたら嫌悪感のほうが勝ってしまうような気がする、そんな映画でした。