天国はまだ遠く/瀬尾まいこ

天国はまだ遠く天国はまだ遠く/瀬尾まいこ
自殺志願の千鶴が辿り着いたのは山奥の民宿。そこで思いがけずたくさんの素敵なものに出逢って……。期待の新鋭が清冽な文章で綴る、癒しと再生の物語。
Amazon
「卵の緒」をはじめとした瀬尾まいこの他の小説と比べてしまうと、ちょっと・・・てな感じでしたが、悪くはないです。いつもながら、死というヘビーな事象を題材に、読みやすい平易な文章で最後まで飽きさせずに読ませます。
ちょっと・・・と思ってしまったのは、自殺をしようと過疎の地を訪れる主人公が魅力的に感じられなかったからかもしれません。あとは、さらりとし過ぎているかな。もうひとつのひねりが欲しかったという気がします。泣けなかったしなぁ(泣ける小説が良い小説とは必ずしもいえませんが)。
とはいえ、読後感は相変わらず爽やかそのもの。この本に出会えて、読んで良かったと思わせるだけのパワーはあります。

カテゴリーBOOK