図書館戦争/有川浩

図書館戦争図書館戦争/有川浩
公序良俗を乱し人権を侵害する表現を取り締まる法律として『メディア良化法』が成立・施行された現代。超法規的検閲に対抗するため、立てよ図書館!狩られる本を、明日を守れ!
敵は合法国家機関。相手にとって不足なし。
正義の味方、図書館を駆ける!

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ライトノベルっつうのは、こういう小説をいうのでしょうか。
作者があとがきで、「今回のコンセプトは、月9連ドラ風で一発GO!」と書き出しているとおり、ラブコメ(死語じゃないだろな)風味で、はちゃめちゃ破天荒なお話がぐいぐいと進んで、笑いながらがんがん読めました。面白かったです。
舞台は近未来(かな?)の図書館。
『メディア良化法』に基づく検閲を目的としたメデイア良化委員会と、武装した図書館との攻防を、図書特殊部隊の初の女性隊員「笠原郁」を中心に、郁の教官や同僚などが絡み合ってお話が進んでいきます。攻防といっても、ほとんど戦争です。
こう書いてみるとかなり物騒ですが、郁をはじめ、鬼教官や同期の友達とのやり取りが生き生きとしていて面白いんですね。それぞれキャラが立っていて、ほんと笑えます。
そして、笑うだけでもなく、テーマとしてはけっこう重いんですよね。
冒頭に「図書館の自由に関する宣言」が掲載されていて、その項目が目次になっています。
図書館の自由に関する宣言
1 図書館は資料収集の自由を有する。
2 図書館は資料提供の自由を有する。
3 図書館は利用者の秘密を守る。
4 図書館はすべての(不当な)検閲に反対する。
図書館の自由が侵されるとき、われわれは団結して、あくまで自由を守る。
この「図書館の自由に関する宣言」ってほんとうにあるようで、1979年に日本図書館協会総会決議されたらしい。作者はこの宣言の4に(不当な)という言葉を加えてるようです。
そういえば、私が数か月前にいった図書館にもこんな文言が書かれたプレートが掲げてあったような気がします。
なんかかっこいーです。
社会が不穏な方向に向かおうとしているとき、自由の最後の砦となるのは図書館かもしれないなーなんて思ってしまいました。「本を焼く国ではいずれ人を焼く」という言葉も印象的です(作者の言葉じゃないようですが)。
ま、そんなちょっと難しいことは考えなくても、十分、面白い小説でした。
こういう荒唐無稽でちゃんと最後には話が収束する小説って好きだなー。
ということで、おすすめです。

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