ハサミ男/殊能将之
連続美少女殺人事件。死体ののどに突き立てられたハサミ。その残虐性から「ハサミ男」と名づけられたシリアル・キラーが、自分の犯行を真似た第三の殺人の真犯人を捜す羽目に…。殺人願望と自殺願望という狂気の狭間から、冷徹な眼で、人の心の闇を抉るハサミ男。端麗なる謎!ミステリ界に妖しい涼風が!第13 回メフィスト賞受賞作。
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先日、映画を観て、昔読んだ原作を読み返したくなりました。
ということで、7年ぶりくらいに再読、「ハサミ男」。
いやー、おもしろい。本格ミステリとはこーいうのをいうんだろうなー。
あらすじはとっくに忘れていたので、綺麗に騙されました。
映画を観たばかりだというのに、映画は原作をわりと忠実に(これはあとで気付いた)描いていたというのに、謎解きの幕が落とされる
「きみがハサミ男だったんだね」
の台詞からの展開は、え!え?え~!?てな感じで、ほんと、頭がぐらぐらしました。
映画は原作をわりと忠実に、と書きましたが、映画のほうは、小説における二重、三重に張り巡らされたトリックをちょっと落としてました。それでもこのトリックを完璧に映画化するのは無理だよな~、というか、よく映像化できたなぁ、しかも映画としても面白くと、いまさらながら感心。
映画の感想でも書きましたが、ハサミ男が「なぜ殺人を繰り返すのか」といったところはあまり掘り下げられていません。が、小説ではそれほど気にならなかったです。
そんなことより、謎解きの面白さ、爽快な騙され感が気持ちいい。
そういえば、作者がロック好きなのか、XTCの歌詞が登場したり、バイク便の会社名が「スピード・キング」(Deep Purple)だったりして、その辺りも楽しめました。
また、決して軽いお話ではないんですが、ひねくれたユーモアというか、小技の効いたパロディが随所にあって、読みやすいところもよかったかな。
ということで、ちょっと前の小説ですが、おすすめです。
