白痴/坂口安吾


白痴/坂口安吾(Amazon)
坂口安吾の小説「白痴」を読みました。
これまた短編だし、非常に読みやすかったです。
内容は、Amazonによると、こんな感じ。
昭和初期に活躍した「無頼派」の代表的作家である坂口安吾の小説。初出は「新潮」[1946(昭和21)年]。映画会社に務める伊沢は、豚と家鴨が同居する珍妙な下宿に住んでいる。そのとなりに住む白痴の女が突如部屋に現れたことから、彼の生活が変った。戦時下の異様な時間間隔と、立ち上る身体性をセンセーショナルに描き、文壇だけでなく終戦直後に多くの人から注目を集めた。
面白かった。
面白かったんだけどな。
ちょっと、なんというか、主人公の選民意識のような感じ?がなー。
いや、ホントはそんなことないのかもしれないし、私の読み方がねじ曲がってるのかもしれないけど。
なんとなく、そう感じたまま最後まで読んじゃって。
それでも、最後は、なんかいい感じの終わり方だったかな。
希望というか、主人公のキモちが変わったというか。
そんな風に読みました。
なんだろう、本質に気がついたとでもいうか。
大切なことに気がついたというか。
それと。
東京大空襲の描写がけっこうリアルで。
すっかり忘れてたもんなー。
って、もちろん、体験したことがあるわけじゃないんだけど。
わけも分からず、空襲、なんだよな。
戦争反対、も何もない。
ただただ火の海になるだけ。
ただただ逃げまわるだけ。
なんだよな、庶民は。
思想的なことはほぼ一切書かれてないだけに、逆に、戦争のバカバカしさが伝わってきます。
この小説の本筋じゃないんだろうけど。
という、白痴。
奇妙といえば、奇妙な小説ですが、面白いです。

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