チョー久しぶりに本を読み終わりました。
読み終わったといっても、青空文庫の短編ですが。
坂口安吾の「夜長姫と耳男」。
ひょんなことからこの物語を知ったのですが、非常に読みやすく、小説らしい小説でした。
私は小説に疎いので、なんともなんとも、なんですが、ジャンルがあるとすれば幻想小説、かな。
ジャンルはどうでもいいか。
舞台は戦国時代、なのかなー。
匠である若き青年、耳男が、長者なのかなーの夜長姫のために仏像かなーを彫り続けるお話。
であってるかな。
耳を切り落とすとか、少々、凄惨な場面もあります。
が、流れてる空気は妙に気高い、というか、崇高というか。
俗世間からかけ離れて、動機がどうであれ、姫のために彫り続ける耳男。
動機がどうであれ、ものすごく一途です。
物語は、登場人物がだんだん減っていきます。
あとから気づいたんですが、この辺、すごく巧妙だなーって思いました。
疫病が流行って、村人もどんどん死んでいくし。
推理小説じゃないんですが、「そして誰もいなくなった」を思いだしたり。
ぜんぜん関係ないですけど。
淡々としながらも、ある意味、異常で不穏な緊張が徐々に高まって、クライマックスに。
「チャチな人間世界」という言葉が出てきます。
芸術といっていいのかな、を創りだす者がもつべき決意、を描いたものといえるのかもしれません。
今、思い出したけど、清志郎がわかりやすいロックンロールを作り始めたとき、下界に降りてきてやったぜ、みたいなことを思ったというようなことを言っていたような。
言葉は違うかも、だけど、ニュアンスはそんなことを言ってました。
まさに、チャチな人間世界に。
とはいえ、そのチャチな人間世界に広く受け入れられるのは、下界に降りたから、なんですけどね。
私は、その方向のほうが好きです。どちらかと言えば。
あ、ずれた。
夜長姫と耳男。
そんな御託はともかくとして、面白いです。
姫と耳男の恋愛、純愛、それも究極的な、って感じでも読めますし。
映像化しても面白そうだけどなー。
いや、すでにされてるのかもしれないけど。
というお話でしたが、短編だから、一冊の本を読んだとまでは言えないかもなー。
私は青空文庫で読んじゃいましたが、文庫本では「桜の森の満開の下・白痴 他十二篇 (岩波文庫)」に収録されているようです。
桜の森の満開の下・白痴 他十二篇 (岩波文庫) (Amazon)
