最悪/奥田英朗

最悪最悪/奥田英朗
不況にあえぐ鉄工所社長の川谷は、近隣との軋轢や、取引先の無理な頼みに頭を抱えていた。銀行員のみどりは、家庭の問題やセクハラに悩んでいた。和也は、トルエンを巡ってヤクザに弱みを握られた。無縁だった三人の人生が交差した時、運命は加速度をつけて転がり始める。比類なき犯罪小説、待望の文庫化。 Amazon
群像劇というのでしょうか、まったく接点のない3人がそれぞれ最悪の状況に陥っていき、出会ったときに起こる運命は如何にという小説です。後半に入るまでの各々の状況描写がとにかく丁寧で、延々と長いのですが、描き方がうまいのか読ませます。それがまたほんとに最悪で、わりとBlueな気分になったところで、3人が出会い、あとは一気にジェットコースターです。
正直、最高に面白い!とまでは思わなかったですが、少なくとも、他の作品も読みたくなるほどには面白いです。
解説に映画「パルプ・フィクション」を例えに出していました(たぶん)が、まさに、そんな小説で、読後感も、いったん陥るBlueな気分を吹き飛ばすほどに爽快です。
大阪から帰る際に、売店でたまたま目について手にとった小説でしたが、読んで正解でした。

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