図書館の神様/瀬尾まいこ

図書館の神様図書館の神様/瀬尾まいこ
アクシデントで夢をあきらめ、傷ついた心を抱え、国語教師としてある高校に赴任したヒロイン清(きよ)。彼女が学校の図書館で出会ったひとりの男の子、垣内君。どこからでも海の見える明るい高校で、瑞々しい物語が始まる…。 Amazon
「幸福な食卓」に続いて「図書館の神様」です。
夢も希望もなく国語教師となった清、楽しみといえば不倫相手とアパートで会っているときだけという、これまた不幸せな設定。その清の心の再生の物語ですが、とことん暗くなりがちな導入から中盤にかけても、かなりコミカルに描いています。決して「軽い」わけではないのですが、読んでいてこちらが沈んでしまうようなことはありません。確かに、瑞々しい。
そして、清をとりまく少年、文芸部のたった一人の部員(部長)の垣内君や弟の拓実がとてもよいです。
「幸福な食卓」ほどの感動はありませんでしたが、読後感の爽やかさでは、こちらのほうが上かも。面白いです。素晴らしい青春小説の書き手に出会えて幸せ。

カテゴリーBOOK