この喪失感はなんなのだ。
3日の午前0時くらいには「夢を忘れずに! 」などと書いておきながら、それじゃ「夢」って何なのよと反芻してみたり、清志郎の訃報関係ニュースは一切見ないぞ、見てもしょーがないしと思っておきながら、朝の4時までネットを徘徊してたり。
泉谷や渋谷陽一のコメントに頷いたり、Chaboや伸ちゃんの胸中を想像した。
梅津さんのコメントには激涙した。激涙なんて言葉はないか。ま、ほんとに感動したのだ。
角田光代のコメントはさすがだった。そして、私の気持ちを代弁しているかのようだった。
途方に暮れている。そう、途方に暮れているのである。
感情が乱高下する。
いや、乱高下じゃないな、海面から息絶え絶えだったり、海の底に沈んでいたり。
GW始まる前の今日の予定は、15時30分に渋谷着。
【MUSIC DAY 2009 SHIBUYA-AX】の無料招待に当選したので、そのチケットを引き換え、開演時間の17時までは代々木公園でプラプラしてようと考えていた。
【MUSIC DAY 2009 SHIBUYA-AX】のトリはたぶんSION。その他の出演者はまったく知らない。
それでも新人(かどうかもわからないが)の演奏も楽しみだった。
が、それもこれもみんなどうでもよくなっていた。
というか、まったく行く気が失せていた。
SIONのステージでさえこんなキモチではとても楽しめるとは思えなかった。
SIONに対しても失礼なような気もした。
が、SIONの「うりきち日記」や「BLOG」に清志郎についてちょっと気になることが書かれてあった。
SIONと清志郎の接点はない。
ただ「数少ない好きな先輩」と書いてある。
「力が抜けてしまった自分がいるのも確かなのだけど、、
俺は俺で、今やるべきことをこれまで通りバカみたいに一生懸命やらねばと。」
とも書いてある。
渋谷に行く気になった。
さすがに新人(かどうかはわからないが)のステージを観る気にはなれない。
ということで、SIONのステージが始まる19時50分を目処にSHIBUYA-AX着。
SHIBUYA-AXといえば、清志郎の2004年の「SILENT NIGHT」を思い出す。
アンコール、大きな蝋燭に囲まれ一人で歌った「イマジン」。感動だった。
ふとした拍子に感情が大きく揺れ始めてしまう。
会場は椅子席が中央付近に敷き詰められ、左右がスタンディング、後方は立ち入り禁止となっていた。
お客さんの入りはまーまーかな。でも満員には遠いかも。後方立ち入り禁止だし。
若いお客さんが目立ってた。新人(かどうかはわからんが)バンドがお目当てなのか。
そして、SIONがステージに登場。
今日は The Cat Scratch Comboとのステージだ。
SIONは赤のパンツに革ジャン、下には薄い黒のTシャツ?。
カッコイー、なにしろカッコよかった。
が、格好だけがカッコよかったわけではなかった。
1曲目「マイナスを脱ぎ捨てる」。凄かった。
最近聴いてきたこの曲のなかでは一番の出来だったと思う。
気合いが半端じゃなかった。
もちろん、私の気持ち次第で、どうにでも聴こえるとは思うが、
だからこのどん底の横には 喜びの朝だっているだろ
痛くも痒くもないぜ 問題ない これからさ
幸せは一人では歩かない いつも不幸せと連んで歩いてる
だからこのどん底の横には 新しい朝が必ずいるさ
これは効いた。
私は、それほど音楽の力というものを信じていない。
つまらない奴と思われてもしょーがない。本当だ。
だがしかし、このときの「マイナスを脱ぎ捨てる」には救われた。
そして、「光へ」、「どけ、終わりの足音なら」、「Slide」も良かった。
いつも何気に気になっていた音のバランスも今日は最高に良かった、ように思えた。
何より、SIONのボーカルがいつにも増してぐさぐさときた。
ホントに効いたのだ。
久しぶりの「ちょっとでいいんだ」のハードな音も良かったし、本編ラストナンバー「新宿の片隅から」も超カッコよかった。
この頃には、清志郎のことも頭の片隅から消えかかっていた。
「新宿の片隅から」のエンディング。奇跡が起こった。
バンドがジャラーンと音を鳴らしているそのなか、SIONが歌いだしたのだ。
昨日はクルマの中で寝た
あの娘と手をつないで
「スローバラード」だった。間違いようもない「スローバラード」だった。
SIONは、あの掠れ声でシャウトしてくれた。
あぁ、本当に今日、ここでSIONのステージを観ることができて良かった。
SIONが他人の歌を歌うなんて、そうそうない。
ていうか、この前の川村カオリとの共演のとき以外に観たことがない。
私には奇跡だった。涙。
そして、私のなかで、何かが変わった、そんな気がした。
アンコールは新曲と「Happy」。
これも良かった。
平等の春がまちまちの心の 肌に触れていくぜ
お前は元気でいるか
この空の下で泣いて笑って そして生きているHAPPY
最後にSIONは、客席に向かって「ありがとう」、そして上を向いて「ありがとう」と言っていた。
確かに上を向いていた。
私には清志郎に語りかけているように見えた。
良かった。40分のステージだったけど、ホントに行ってよかった。
このステージを観ることができてよかった。
SIONのファンでよかった。
そして、清志郎のファンでよかった。
渋谷の街は相変わらずの騒々しさで、どうにもこうにもだったけど、地元の駅に着いてからの帰り道。
私の歩く川沿いの真っ直ぐな道のちょうど真上にきれいな月が浮かんでいた。
月に導かれるようだった。ホントに道の真っ直ぐ上だったのだ。
きれいだ。
今日のこの日のことを私はずっと忘れないだろう。
SION、ありがとう。
そして清志郎、ありがとう。
