坂田栄一郎 「LOVE CALL —時代の肖像—」

久しぶり(だったか)の晴れた土曜日。でもなんだか頭が重い。
15時くらいまでぐだぐだと過ごしていたが、ふとAERAの写真展が開催されていることを思い出す。たまには電車に乗って東京に行くのも悪くない。
800だか900だかの写真の中から、一枚の写真を探すのも、宝探しみたいで楽しそうだ。
お目当てはもちろん清志郎だ。
思いついたら、珍しく、10数分後には家を出る。
珍しく、文庫本一冊持って出かける。
1時間くらいで東京駅に着いた。
考えてみたら、東京駅から外に出るのは初めてかもしれない。
それは大げさか。いや、でも思い出せない。
写真展は、「丸ビルや新丸ビル、行幸地下ギャラリー、丸の内オアゾの 4 会場に大規模に展示」というもの。丸ビル、新丸ビルは言葉は聞いたことがあるけど、行ったことなど、ない。
会場は東京駅からすぐだ。
迷うこともない。
東京駅は雰囲気のあるいい駅だった。
駅前のロータリーも気持ちのいい空間だった。なにより人がそれほど多くないところがいい。
渋谷駅周辺みたいだとうんざりする。
さー、探すぞ。清志郎はどこにいる?
まずは、なんとなく有名な気がする丸ビルからだ。
ということで、丸ビルに入る。
おしゃれな感じだ。でも、なんかそれほど場違いな居心地の悪さはない。
丸ビルの3階回廊に行ってみる。
吹き抜けの回廊は気持ちがいい。
かなり大きめにトリミングされたポートレートが10点くらい並んでいた。
まずは端から観ていく。
最初の写真は、椎名林檎だった。確か、1999年とあった。
デビューから間もない頃の椎名林檎。
今でも好きだけど、当時(もう当時って表現するほどなのか。。。)の椎名林檎は衝撃だった。眼が鋭い。ちなみに、この後もたくさんのポートレートを観たが、眼が鋭い、あるいは澄んでいる、といったところは共通した感想だ。
ひとつ、ひとつ結構丁寧に観ていく。
ん?あっ、見つけてしまった。
早々と見つけてしまった。
なんとまー、ラッキーと言っていいのか。でも、ちょっと拍子抜けの気分。
いや、これはかっこいーぞ。
モノクロの清志郎だ。
1988年とある。カバーズの頃だ。
バリバリのロッカーだ。カッコいー。とてもカッコいー。
はて、写真を撮ってもいいのか?
いいや、撮っちゃおう。ダメだったらごめんなさい。
だって、カッコいーぞ、これは。

早々と宝探しは終わってしまったが、坂田栄一郎氏の撮る写真はなんとなく惹き付けられるものがある。ともかくせっかくだから全部観てみよう。
丸ビルの次は、新丸ビルだ。
もちろん初めてだ。でも、ここの会場では写真が数点しか飾ってなかった。
次は、行幸地下ギャラリー。
未だになんて読むのかわからない。
ま、いいや。ともかく行ってみる。
どうやら、ここがメインギャラリーらしい。
1988年から2008年の現在まで、時系列にポートレートが並んでいた。
時の首相からスポーツ選手まで。
圧巻だった。
皆、一様にいい表情をしていたが、妙に印象に残ったのが、伊達公子。
といっても、先日のテニスの試合のときのような溌剌とした表情ではない。
どちらかといえば、うつむき加減の、なんだか心に重たいものでも抱えているかの表情だった。1992年の頃だったか。15年以上経った今のほうが彼女は輝いているように見える。
続いては「丸の内オアゾ」。オアゾとは何ぞやと思いつつ入ってみたが、これまた飾られていたポートレートは少なくてちょっと残念。それでも、ピカソの「ゲルニカ」の複製がその場に飾られてあって、それに感動。
と、2時間弱の「LOVE CALL —時代の肖像—」閲覧だった。
たまには、こういう休日の過ごし方もいいよなと思いつつ、文庫本を読みながら電車に乗り込む。そして、気がついたら、最寄駅を5つくらい通過していた。本に夢中になっていたのだ。こういうのも、たまにはいいかも。
反対車線の電車に乗り込み、最寄り駅に着いた頃には、頭の重さもすっかり取れていた。