「AERA(2003.11.10)/ 朝日新聞社」に掲載された清志郎のインタビュー記事です。
2003年10月13日に発売された絵本『おとうさんの絵』(マガジンハウス)に関するものです。
以下、記事の概要を紹介します。

親子の情愛描く『おとうさんの絵』
忌野清志郎が描いた絵本
ミュージシャンの忌野清志郎さんは実は絵の才能でも知られる。
鮮やかな力強い色彩で、父子の情愛を描いた物語に絵をつけ、本にした。発売日は清志郎さんの提案で決まった
周平が描くお父さんは「子供が描く絵だから、娘に描いてもらいました」と清志郎さん。父としての思い入れもたっぷり
図工の時間に「一番好きな人の顔を描きましょう」と言われた周平は、大好きなお父さんを描こうとするが、ハゲていることがわかるのを恐れて手が止まる。悩んだ末、ふさふさの髪を描くことにする。絵本『おとうさんの絵』(マガジンハウス)は、そんな父を思う少年の心情を描いた作品で、鮮やかで力強い色彩が特徴。10月3日の「父さんの日」に発売された。絵は忌野清志郎が担当。環境問題を描いた絵本『ブーアの森』に続く2作目となる。作家の相馬公平が3カ月かけて清志郎を「絵描き」として探し当て、手紙と原稿を送って依頼。テーマに惹かれた清志郎が快諾し、5月から約2カ月半の制作期間中、ソロアルバム「KING」のレコーディングと並行しながら夜に描き進めた。
こだわりのある色彩
清志郎は「絵を描くのは楽しく、仕事とは思わない」と語り、時間を忘れて没頭していた。絵を眺めながら周囲を歩き回るなど、構図や色にこだわって制作。最も苦労したのは、お父さんの「ハゲ頭」の描写で、髪の生え方が難しく、外で人を観察して参考にした。自転車を止めるふりをしてじっと見ることも。絵本には自身の子供たちも登場させ、「ハゲゴンズ」などのユーモアも込められている。アクリル絵の具、オイルパステル、クレパスを用いて、色彩にも強いこだわりを持ち、印刷でも4回にわたって色校正を行った。音楽と同じく、最後のマスタリングで個性が消されてしまうことへの違和感も語り、「雑音が大事なのに消されてしまう」と例えた。
「面白くてホロリ」
1951年生まれの清志郎は、幼少期から絵が得意で、絵画コンクールに入選した経験もある。ゴッホやゴーギャン、印象派に惹かれ、上野の美術館に通い、美大進学を勧められて塾にも通った。高校では美術部と関わりながら描き続け、塾でも評価されたが、高3で「受験用デッサンを覚えなさい」と指導され、描く意欲を失ってしまう。その後はバンド活動に夢中になり、音楽の道へ。絵を再び描き始めたのは1995年、歌手デビュー25周年の節目に自画像を描いたのがきっかけ。現在は、絵を描くこと、音楽、そして自転車を楽しむ生活を送っている。絵本を見た相馬から「力があって面白く、ホロリとさせる。歌と同じ」と言われ、その言葉に深く感動したという。
清志郎の言葉
- 少年の、父への思いが溢れていてテーマにとても引かれた。僕はこういう子供なりの心を描いた絵本を描きたかったんだと思った。
- 絵を描くことは仕事とは思わない。すべてを忘れ没頭していられる。楽しいんです。
- せっかくすごい色で描いているのに普通の色にしようとする。音楽でもそうですが、最後のマスタリングで普通になっちゃうことがあります。雑音が大事なのにわざと消されちやうんですね。
